ThinkingAI主催、ゲーム業界におけるAI Agent実践の現在地を探る
東京、2026年4月17日 —— ThinkingAI主催による「From Data to AI Meetup 2026」が、東京・御成門タワーにて開催されました。本イベントには、MIXI、バンダイナムコネクサス、TIS、ワンダープラネット、グラビティゲームアライズ、ビジュアルアーツなど、日本のゲーム・データ企業の技術責任者に加え、グローバルAI企業のMiniMax、市場分析プラットフォームのAppMagicなど、多様な領域の実践者が集結。申込数412名を記録し、ゲーム業界におけるデータ分析からAI自律実行への転換について、活発な議論が交わされました。
AI Agentがゲーム運営を再定義する
ThinkingAI創業者のParisは基調講演において、世界1,500社への支援実績に基づき、AI時代における企業運営の根本的な転換を提示しました。
「将来の競争は人の数ではなく、AIの活用度で決まる」——Parisはこう切り出し、企業が直面する本質的な変化を指摘しました。「AIはより良いツールではありません。『誰が仕事をするか』そのものが変わるのです」
企業が真に必要とするのは、汎用大規模モデルではなく、自律的に感知・分析・実行できるAI Agentシステムであるとし、最新リリースのAgentic Engineの実例を紹介しました。「リテンション低下を検知したAgentが、自動的に原因を分析し、戦略を提案し、A/Bテストを開始。48時間後、リテンションは回復し、離脱率は27%低下しました」
運営担当者がしたことは「承認して実行」をクリックしただけ。問題の発見から解決まで、数週間でも数日でもなく、わずか48時間で完結したといいます。
「Agentic Engineは人間に取って代わるものではありません」とParisは強調します。「重いモニタリング業務や繰り返しの実行作業から人を解放し、人は戦略判断とクリエイティブに専念する。AIが感知・分析・実行を担当する。これが、人とAIの新しい協働の形です」
MiniMax、数億ユーザーを支えるマルチモーダルAI技術を紹介
MiniMaxのCherie Shi氏は、中国で数億ユーザーに利用されるマルチモーダルAI Agentの基盤技術を紹介しました。MiniMaxは、テキスト・動画・音声・音楽など複数モーダルを横断するAIモデルとアプリケーションを展開し、1日平均160万本の動画生成、37万時間の音声生成、4.5兆トークンのテキスト処理を実現しています。
特に注目されたのは、超低遅延200msを実現したSpeech 2.8と、卓越した人間の動作表現を可能にしたVideo Hailuo-2.3です。Shi氏は「リアルタイム対話から感情豊かな音声クローニング、スタジオ品質の音楽生成まで、マルチモーダル技術がAI Agentの実用化を加速させています」と述べました。
また、MiniMaxのLLM M2.7は、Claude 4.6-Opusの10分の1のコストで同等以上の性能を実現し、Python、Rust、Java、C++、TypeScriptなど多言語コーディングに対応。世界200以上の国と地域で累計2億人以上のユーザーに利用され、5万社以上の企業・開発者に提供されています。
業界深層対話:データの壁からAI実装まで
イベントでは3つのパネルディスカッションが設けられ、異なる視点の業界実践者が集結しました。
「データ分析の『壁』をどう突破するか?」では、バンダイナムコネクサスの松浦遼氏、TISの細田誠司氏、リーン・ニシカタの西方智晃氏が登壇。指標定義の不一致、仮説構築の困難さといった本質的課題について議論を展開しました。特に注目されたのは、AIが担うべき領域と人間が保持すべき定性判断の境界線をどう引くかという論点です。「データは増え続けるが、意思決定の質は必ずしも向上していない」——この業界共通の課題に対し、各社の実践知が共有されました。
「AI実装の理想と現実 — 2026年のAI活用最前線」では、ワンダープラネットの加藤雅大氏、ビジュアルアーツの郷田努氏、グラビティゲームアライズの斉藤誠記氏が、LTV向上、コスト最適化からユーザー行動予測まで、AI実戦経験を共有。理想論ではなく、現場での失敗と成功から導き出された2026年のAI活用の真実の姿が提示されました。
さらに、AppMagicの中村慶光氏は、米国ミッドコア市場のLiveOps実戦戦略を解説。月平均79件のイベントが開催される激戦区において、精緻な運営で収益最大化を実現する手法を、具体的なデータとともに紹介しました。
業界の枠を超えた交流体験
イベントは専門的な内容に留まらず、参加者同士の交流を深める工夫が随所に施されました。プロ格闘ゲーマー・オニキ選手によるSF6対戦チャレンジでは、挑戦者が次々と登場し会場は大いに盛り上がりを見せました。限定ガチャマシンには行列ができ、そして夜まで続くNetworking交流では、企業・領域を超えた深い対話が生まれました。
「技術の話だけでなく、同じ課題に向き合う仲間と出会えた」「他社の実践例を直接聞けたのが貴重だった」——参加者からはこうした声が多く聞かれ、単なる情報発信の場を超えた、業界コミュニティとしての価値を示すイベントとなりました。
業界の枠を超えた交流体験
ThinkingAIは2015年に設立され、データインテリジェンス分野に特化。現在、世界1,500社以上の企業にサービスを提供し、8,000以上のアプリケーションに導入、約20カ国でビジネスを展開しています。2022年に東京オフィスを設立し、日本市場への投資を継続的に拡大。最新リリースのAgentic Engineは、企業が自律運行するAI Agentチームを構築し、データドリブンからAIドリブンへの事業転換を実現することを目指しています。
